食塩水の問題の解き方
(応用編)
2次方程式を使って解く問題

 

●食塩水の問題を2次方程式で解かなければならない場合というのは それほど頻繁にあるわけではありませんが、その対策が必要だという生徒さんのために、 「2次方程式で解く食塩水の問題」 について、作図の仕方、式の立て方をお話ししようと思います。  ( 基礎編をやった方が対象ですので、まだやってない方は基礎編からやって下さい。)

●まず基礎編でやった5つのパターンのうち最後の

(5)食塩水の一部を抜き取る

というものを思い出して下さい。 

【 例題 】
10% の食塩水 400 g がある。 これから x g の食塩水を取りのぞき、 かわりに x g の水を加えると 濃度は 6 % になった。
作図と食塩の式は
●これを 図はそのまま、青枠の部分の食塩の量の求め方を少し変えます。 なぜ求め方を変えるのかというと、  2次方程式の問題の場合、 「途中で%があいまいになり、%での計算ができなくなるから」というのが理由です。  では新しい求め方を見てみましょう。

下図のように
  1. まず Aのビーカーの食塩の量を求めておく
  2. Bのビーカーの食塩の量は、%ではなく A、Bの食塩水の割合から求める
という考え方を使います。  下の作図と立式をよーーーく見て下さい。 

10 % の食塩水 400 g がある。 これから x g の食塩水を取りのぞき、 かわりに x g の水を加えると 濃度は6 % になった。
▲▽
●このようにしてBの食塩の量を求めるわけですが、 もし上図中の「最大のポイント」がわからなければ先に進めませんので、その方は補習授業を受けて下さい。 

最大のポイントが 問題なく理解できている方は、それほど苦労することなく 2次方程式が立てられますので安心して下さい。 では先に進みます。

最大のポイントが本当にわかっているかどうか、ちょっと練習問題をやってもらいます。 下の問題について、図を描き、式を作って下さい。(図は必ず描くこと)

【練習1】
@ 濃度 16 % の食塩水 200 g から x g の食塩水を抜き取った。 残った食塩水の中には、何 g の食塩が含まれているか? x を使って表しなさい。 (ただし 基礎編で用いた立式方法は使わないこと)

A 上の@の「残った食塩水」に x g の水を補充し、よくかき混ぜたら、12 % の食塩水になった。 x を求めよ。  

答はこちら



●では、本題の 2次方程式の問題 に移ります。

【 例題1 】
10 % の食塩水が 200 g 入っている容器から x g の食塩水をくみ出し、代わりに x g の水を入れた。 それをよくかき混ぜてから、また x g の食塩水をくみ出し、代わりに x g の水を入れた。すると食塩水の濃度は 2.5 % になった。 x を求めよ。

 下のように A〜Dの段階に分けて 図を描きます。 問題文と照らし合わせて見て下さい。
▲▽
図を描いたら、 図の中で
  1. Aの塩を 計算で求める
  2. Bの塩を Aとの割合から求める
  3. Cの塩を Bとの割合から求める
  4. Dの塩を 条件から求める
▲▽
最後に  基礎編でやったように、 

Cの食塩の量 = Dの食塩の量

 という等式を作れば 方程式のできあがりです。
▲▽


●では、少しだけレベルを上げた例題をやります。一緒に図を描いてみて下さい。(例題はこれが最後です。)

【 例題2 】
濃度 10 % の食塩水 100 g をいれた容器から x g の食塩水をくみ出し、x g の水を入れた。 よくかき混ぜた後、今度は 2x g の食塩水をとりだし、そこに 3x g の水を加えたら 4 %になった。 x を求めよ。
 方程式を作ると
▲▽

 方程式は
 

●以上が解説です。  他にも考え方はあると思いますが、私が生徒に教えるときは このような作図と立式を教えています。 では練習問題を2つやって下さい。 

【練習2】
5 % の食塩水が 500 g 入っている容器から x g の食塩水をくみ出し、 代わりに x g の水を入れた。 それをよくかき混ぜてから、また x g の食塩水をくみ出し、代わりに同量の水を補った。すると食塩水の濃度は 3.2 % になった。 x の 値を求めよ。

練習2の答はこちら


【練習3】
濃度 12 % の食塩水 600 g をいれた容器から ある量の食塩水をくみ出し、代わりに 同量の水 を入れて、よくかき混ぜた。 次に前にくみ出した量の 2倍 の食塩水をくみだし、そのかわりに 同量 の水を加えたら 4.5 % になった。 初めにくみ出した食塩水の量を x g として x の値を求めよ。

練習3の答はこちら

 

●これで、2次方程式を使った食塩水の問題の解き方講座は全て終わりです。 基礎編で作図練習がちゃんとできていれば、作図そのものはそれほど難しくはないと思います。 あとは立式を少し工夫し、 最後は計算力、ということになります。 ご自分の問題集に戻って、トライしてみて下さい。

●なお、図の描き方に決まりがあるわけではありませんので、自分でわかるように、アレンジするのはかまいません。 では健闘を祈ります。



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