こうすれば解ける 「速さ」の問題








◆このレッスンでは 「速さの問題」に何となく苦手意識がある生徒さんを対象に、小学生レベルから始めて、中間・期末試験レベル及び公立高校入試問題レベルを確実に解けるようにするための「手順」を説明します。 これからやることを前もって書きますと、
  1. 基礎の確認・・・小学生の秘密兵器を使って
  2. 作図と式作りの基礎
  3. 例題と練習 (その1) パターン1〜2
  4. 例題と練習 (その2) パターン3〜5
  5. 問題集 (中間期末レベル 〜 公立高校入試レベル)


◆みなさんの中には「図を描くの?・・・めんどうくさい! もっと楽に解く方法はないの?」 と思う人がいるかも知れませんが、 残念ながらそんな方法はありません。  問題が難しくなればなるほど、図だけがたよりになります。 


◆しかし安心してください。 私の言うとおりにやれば、このレッスンを終了する頃には、
  • 問題文を読み終わった時には もう図を描き終わっている
  • 図さえできていれば ほぼ確実に正解にたどり着ける
ということを実感するでしょう。 少なくとも、「問題文を読んでも何をしていいのかわからない」といった状態はなくなります。 


◆このレッスンの所要時間は、人によって違いますが、おおむね
  • 中間期末レベルまで  ・・・・・・・・・・・・  1〜2時間
  • 公立高校入試レベルまで さらに ・・・・  1〜2時間
といったところです。 (2,3日に分けてやっても構いません。) さあ私を信じてやってみますか? それとも「めんどうくさそうだからまた今度・・・」にしておきますか? 「また今度」でもいいですが、それではいつまでたっても「速さの問題」を解けるようにはなりませんよ。



◆やってみる決心がついた人は、 鉛筆とノートを出して、さっそく始めましょう。











第1日目







レッスン1


基礎の確認

小学生の秘密兵器を使って






●「速さ」の問題を解くときにどうしても避けて通れないのが、次の3つの要素と、その関係式です。
  • 距離 = 速さ × 時間
  • 時間 = 距離 ÷ 速さ
  • 速さ = 距離 ÷ 時間

●「ほーら来た来た、これがあるからイヤなのよ!」という人もいるかも知れませんが、 別にこれをここで覚えなさいと言っているわけではありません。 (もちろん覚えている方が良いのですが・・・) どうしても覚えられないという人は、 小学校の時に習った、下のような「秘密兵器」を使えばいいことですからね。





「何これ?・・・知らなーい!」という人はこちらへ

「習ったけど使い方を忘れた」という人もこちらへ



●レッスン1では、この「小学生の秘密兵器」を使って 3つの要素(距離、時間、速さ)の関係式を作る練習をします。 中学レベルでこの「円形の道具」を直接使うわけではありませんが、これを使う感覚には慣れておいてほしいのです。 



●では、さっそく練習です。


【練習1】 
 次の問題の答を、
「小学生の秘密兵器」を使って求めなさい。 (暗算でも出来るよ、という人も、ここはひとつ私の顔を立てて、「秘密兵器」を使って解いてください。 後々のためです。) ただし、割り切れないものは分数のまま、答とすること。


@ 時速60kmで3時間走り続けると、何km進むか?

A 80m/分 で歩く人は 2400mを歩くのに何分かかるか。

B x km の道のりを行くのに16時間かかった。 平均の速さを求めよ。

C  60km/時で x km の道のりを行くには 何時間かかるか

D 80m/分の速さで (y+5)分歩くと 何m移動するか。

答はこちら


●答合わせまで終わりましたか? ではレッスン1はこれで終わりです。 簡単でしたね。 なぜこんな簡単なものをやってもらったかというと、「小学生の秘密兵器」の知識があった方が、後々便利だからです。





◆では続けてレッスン2にいきますが、そのまえにIE(インターネット・エクスプローラー)をお使いの生徒さんは、画面を最大限に活用するために 次の操作をやって下さい。
  • 画面の上の「メニューバー」から「表示」を選択し、
  • 「表示」→一番下の「全画面表示」を選択して下さい。
※ 「全画面表示」を元に戻すには 右上の「閉じるボタン(×)」の左隣にある「元(のサイズ)に戻すボタン」をクリックします。 








レッスン2

作図と式作りの基礎








●レッスン2では、例題を見ながら実際に図を描く練習をやってもらいます。 作図の時のポイントは 次の通りです。




●では、作図の例題を見てもらいます。 図の下に3種類の「等式」が描いてありますので、 図と式の関係をじっくり見て下さい。
















●ここでもう一度、図の中の3つの要素(距離、速さ、時間)の位置を考えてみて下さい。 図そのものが「小学生の秘密兵器」のような形をしていることがわかりますか? 






このことを頭に入れておくと、後々式作りが楽になります。





●では、ここで確認のために練習をやってもらいます。



【練習2】 上の例題を参考にして、次の文を図に描き 「距離の等式」 「時間の等式」 「速さの等式」の3つの等式を作りなさい。


@ 20 kmの道のりを時速4kmで行くと5時間かかる。

A x kmの距離を60km/時で行くと12時間かかる。

B 時速xkmで10kmの道のりを行くには y時間かかる。


答はこちら


●答合わせまで終わりましたか? まだそれほど難しくはないでしょ? しかしここの部分がしっかり身に付けば、後は楽ですからね。 もし間違った問題があったら、もう一度やっておいた方がいいですよ。



●さあ、それではこれでレッスン2は終わりです。 まだ疲れてないと思いますから、続けてレッスン3に行きましょう。 (どうしても休憩を取りたい人はそれでもいいですが・・・・)
 










レッスン3

問題を解く





●実際の問題はいくつかのパターンに分けることができます。 私なりに分けてみると、次のようになります。
  • パターン1  同時出発・同点到着  (おもに1年生用)
  • パターン2  時間差出発        (1,2,3年生用)
  • パターン3  2種類の速さ       (1,2,3年生用)
  • パターン4  池・湖の問題       (おもに2,3年生用)
  • パターン5  鉄橋とトンネル      (おもに2,3年生用)
どんなに難しい問題も、上の5種類の図と考え方を組み合わせれば、ほとんど解けます。

●ただ、一度にやると頭がパンクする人がいるので、 このレッスン3では上の5つのうち、パターン1パターン2だけを取り上げ、図の描き方と方程式の立て方を練習します。 

●では、「パターン1」から・・・・まず例題を見て下さい。






パターン1   同時出発・同点到着


例題@  ある距離を進むのに、時速4kmで行くより 時速6kmで行く方が 3時間早く着くという。 この距離を求めよ。 




同じ問題を別の解き方で解きます。

例題@  ある距離を進むのに、時速4kmで行くより 時速6kmで行く方が 3時間早く着くという。 この距離を求めよ。 







●上の2つの解き方でわかったと思いますが、 「速さの問題」を解くときのポイントの1つは、     

曖昧(あいまい)なもので勝負する 

ということです。 (何のことかよくわからない人は、こちらの解説へ




●では確認のために練習をやります。 次の問題を 上の例題にならって2通りの解き方で解きなさい。 (必ず2種類の図を描くこと)



【パターン1の練習】

@ AB間を 時速4kmで行くと予定通りに着くが、時速3kmだと
  予定より2時間遅れてしまう。 AB間の距離を求めよ。

答はこちら








パターン2  時間差 出発 


例題A  弟が徒歩(80m / 分)で家を出てから6分後に、兄が自転車(200m / 分)で追いかけた。 兄は何分後に、家から何mのところで追いつくか。



また、家からの距離は  
(兄の移動距離から)   200 × 4 = 800
  答   家から800mの地点





●では、似たような問題をやってもらいましょう。



【パターン2の練習】


A 弟が歩いて家を出てから5分後に兄が自転車で弟を追いかけたら、数分で追いついた。 弟の歩く速さを平均80m/分、 兄の走る速さを平均180m/分とすると、何分で追いついたのか?  またそれは家から何mのところか?

答はこちら





第1日目はここまでにしておきます。 第2日目のレッスン4からは、会員の方のみのページとなります。 

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