公開講座 

式の利用

レッスン2  証明の書き方


●では、レッスン1でやったことを頭に入れて、実際に証明を書く練習をしましょう。


【例題1】 
  偶数と奇数の和は 奇数になることを証明せよ。

●さて、問題を解くときはいきなり証明をしようとしないで、具体的な数字を当てはめて、「確認作業」をやります。 本当に偶数と奇数の和は奇数になるのか?

   2+3 = 5 → OK   、  20+13=33 → OK

●そこで、改めて例題をみて 証明の手順を考えると
  1. 偶数と奇数を 2m、2n+1 とおく
  2. 「和」だから 足し算をする
  3. 2(  )+1  の奇数の形を作る
ということになりますよね。 そこで実際に書いてみましょう。


【証明例】

偶数を2m、 奇数を 2n+1 とおく。
                (ただし、m、n は整数)

  2m + (2n+1) = 2m + 2n + 1 
               = 2( m+n ) + 1  

       (  )内は整数だから 上の式は奇数である。

●だいたい こんな感じで答案を書けばOKです。 ここで注意してほしいことは 2つ。 

1つ目は、2行目のただし書き。 → (ただし、m、nは整数)
 これは必ず書いて下さい。 m や n が整数でないと、 2m が偶数とは言えないし、2n+1が奇数とも言えなくなります。
 たとえば m=0.33 だと 2m=0.66 どう見ても偶数ではないですよね。 この「ただし書き」は、中学レベルでは書かなくても減点されませんが、高校になると減点されますから、今のうちから書く練習をしておきましょう。

2つめは最後の1行 のシメの言葉
    (  )内は整数だから 上の式は奇数である。
という部分です。 この「締め(シメ)の一行」をかくことで証明が完成します。 (シメの一行の書き方は色々ありますが、慣れるまで、上の書き方を参考にして下さい。)


●では似たような問題をやってもらいましょう。 答案の一部は前もって書いてありますから、ヒントとして活用して下さい。

【問題3】 奇数と奇数の和は偶数となることを証明せよ。

答案例
  2つの奇数を _____ と _____ とおく。
                (ただし ________  )

( ___ ) + ( ___ ) = _________

                     = _________

                     = 2(           )


   (   )内は整数だから _____________

上のサンプルを参考にして、必ず自分のノートに答案を書いて下さい。 (頭の中だけで考えたりしないように)


  書き終わりましたか?

           

      では答え合わせです。 答えはこちら





●さあ、少しは要領が分かりましたか? では今度は似たような問題を、自分の力だけで証明してみて下さい。

【問題4】 2つの奇数の差は 偶数であることを証明せよ。

  ※答案は自分のノートに書いて下さい。

                    

         答えはこちら




●では、今度は2桁の整数についての典型的な問題です。答案はほとんど書いてありますから、穴埋めをする気持ちでやってみましょう。

【問題5】 2桁の整数がある。 この数の十の位と一の位の数字を入れかえて出来た数をつくったとき、 もとの数と、数字を入れ替えた数の和は11の倍数になることを証明せよ。

●まず「確認作業」です。 上の問題で

  2ケタの整数がある。    →  53  とすると
  数字を入れ替えた数は  →  35  
  よってその和は   53+35 =88 

確かに11の倍数になります。 ではもう一つ見てみましょう。

   元の数が 69  なら   入れ替えた数は 96
   このとき  69+96 = 165 = 11×15

やはり11の倍数になりました。 そこで 答案作成にかかります。上でやったことを、文字に置き換えてやるだけです。
   (下線部分 ____ を埋めて下さい。)

もとの数を 10a+b とおくと、数字を入れ替えた数は ____
  とおける。   (ただし、 a、b は1ケタの整数)

  (10a+b)+(10b+a) = 10a+b + 10b+a
                  = 11a + 11b
                  = ________

 (   )内は整数だから 上の式は ________


穴埋めした完全な答は こちら





●では似たような問題を 自力で解いてもらいましょう。

【問題6】 2ケタの整数がある。 この数の十の位と一の位の数字を入れかえて出来た数をつくったとき、 もとの数と、数字を入れ替えた数の差は9の倍数になることを証明せよ。

  ※必ず確認作業をやり、 自分のノートに実際に証明を書いて下さい。

答はこちら



●さらにもう一問

【問題7】
連続する3つの整数の和は 3の倍数になることを証明せよ。

※連続する3つの整数というのは 3,4,5 とか 11,12,13 とかですね。 この問題も、必ず確認作業をやり、 自分のノートに実際に証明を書いて下さい。

答はこちら



●2年生はここまでです。

●3年レベルの「展開・因数分解」を習った生徒さんは もう一問解いてみましょう。

【問題8】
 連続する2つの奇数がある。 大きい方の奇数を2乗したものから、小さい方の奇数の2乗したものを引くと、8の倍数になることを証明せよ。

※テストによく出題される問題です。 確認作業をやった上で、証明を書いてみましょう。

答はこちら



●以上で 「式の利用」 つまり、文字式を使った証明問題の基礎的な書き方練習が終わりました。 次の中から1つ選んで下さい。

  • 3年生で、「もう少し、問題を解いて 実力を養成したい」という人は、レッスン3に進んで下さい。
  • 3年生で「大体理解できたので、自分の問題集をやってみたい」 という人は、このレッスンを閉じて、早速自分の問題集をやってみて下さい。
  • 2年生は この講座を参考にして 自分の問題集を解いてみて下さい。
  • 「もう、頭がパンクしそうだ!」 という人は、このレッスンを閉じて、ゆっくり休んで下さい。



レッスン3に進む人は こちらから



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