メネラウスの定理を使うコツ
メネラウスの定理は「公式」だけ覚えていても、実際には使い物になりません。 たとえば
AP
PB
×
BQ
QC
×
CR
RA
 = 1
とかいう、教科書通りの公式を覚えたとしても、三角形が △ABC ではなく △APQとか
になって、苦労したことはありませんか?
たとえば下の2つの例題を見て下さい。どちらも 使う三角形は △ABC ではありません。
ですから、直接 上の公式を使うことはできませんよね。
【例題1】
【例題2】
pfrm0001.png
pfrm0002.png
上の図で、BC:CD=1:1
      AE:EC=3:2 のとき
上の図で、BF:FC=3:2
FE:ED をもとめよ。
      AC:CD=5:4 のとき
(1) BE:ED をもとめよ。
(2) AF:FE をもとめよ。
この講座は上のような問題を、迷うことなく1〜2分で解けるようにするためのものです。
 私が生徒に教える過程で考えついたやり方ですので、教科書や参考書には(たぶん)
書いてないテクニックですが、かといって数学的にいかがわしいとか、不道徳な解き方(笑)
というわけではありませんので、試験でも安心して使って大丈夫です。
ステップ1  定理の特徴を把握しよう!
●まずメネラウスの定理の特徴を把握し、そこから解法のヒントを探ります。
 とりあえず、教科書レベルの図と式を参考にしましょう。
メネラウスの定理を使うには 三角形(下図では△ABC) と 線分(PRQ) が決定
されてないといけません。 しかし問題なのは、どうやったら「使う三角形」と「使う線分」を
発見できるかなのです。
  
とりあえず、下の問題の場合、使う三角形は△ABC, 使う線分は PRQ ですよね。
pfrm0003.png
pfrm0004.png
公式:
AP
PB
×
BQ
QC
×
CR
RA
 = 1
より、
×
×
 = 1
整理して
    x = 2y                
よって    x : y = 2 : 1  
ここで、もう少し 詳しく見てみると、次のようなことに気が付きます。
     (1) 4:5、3:2,x:y などが関係しているのは △ABCの辺 である。 
     (2) 線分(P−R−Q)には、は無関係 である。
            (PR:RQ の比は わからなくてもよい、という意味)
この(1)、(2)が メネラウスの定理を使うときの 最大のポイントです。つまり、
この性質を使って 「使う三角形」と「使う線分」を決定すればよいのです。
ステップ2 三角形と線分の決定
では、具体的に見ていきましょう。 まず 【使う三角形の決定】 です。
 手順1 求める部分の比を x、y とおく
 手順2 x、y の辺を 波線(なみせん)で強調する       ・・・・@
 手順3 問題文で、がわかっている辺も 波線で 強調する ・・・・A
 手順4 @とAの波線で囲まれた三角形を見つける → これが「使う三角形
言葉だけでは分かりにくいので、下の図を見てください。
pfrm0005.png
x:y、4:5,3:2 の辺を波線で強調する。    波線で囲まれたが「使う三角形
同じことを さきほどの例題1で確認してみましょう。
(問題) FE:EDをもとめよ。 
→(FE = x, ED = y とおく) 
pfrm0006.png
x:y、1:1,3:2 の辺を波線で強調する。  波線で囲まれた△ECDが「使う三角形
簡単ですね!
次に 【使う線分の決定】 です。
これは次の条件を満たしている線分に限られます。
   ・「使う三角形」の各辺の内分点外分点3つを 一直線に結んでいる線分であること
 そしてこの線分は、次のような性質を持っています。
   (性質1) 波線(強調した直線)以外の線分である
   (性質2) 「使う三角形」の頂点は決して通らない
と、このように書くと、何となく難しそうですが、「普通の問題」であればすぐに見つかります。
それは、
  ・普通の問題では、使える直線は1つしかないからです。
そのことを確認してみましょう。
(内…内分点、 外…外分点)
pfrm0007.png
赤線のところしかありませんよね!
(性質1)波線以外の線分
 
(この場合、外分点が1つです。)
pfrm0008.png
同様に例題1の図では
pfrm0009.png
(この場合 外分点が3つです。)
では、「普通の問題」以外の、難しい問題になったらどうでしょう。 この場合もさっきの2つの
性質を頭に入れておけば大丈夫です。
   (性質1) 波線(強調した直線)以外の線分である!
   (性質2) 「使う三角形」の頂点は決して通らない
 
このことを上の2つの例で、確認して下さい。(確認したら次を読んで下さい。)
この2つの性質を頭に入れた上で、次の例題3を見てみましょう。
pfrm0010.png
【 線分の決定 】
可能性がある線分(波線以外の線分)は 
 GD,BGE, BD の3本
そのうち △AFCの頂点を通らないものは
  BGE のみ 
3点B,G,Eは△AFCの内分点・
外分点になっているか?→ なっている
pfrm0011.png
使う三角形は △AFC 
使う線分は  BE
では、実際に練習してみましょう。
【練習1】 例題2の(1)、(2)をメネラウスの定理を使って解くとき、「使う三角形」と「使
う線分」はどれになるか、それぞれ指摘しなさい。(式を作る必要はありません)
pfrm0012.png
pfrm0013.png
同じように、BF:FC=3:2
上の図で、BF:FC=3:2
      AC:CD=5:4 のとき
      AC:CD=5:4 のとき
(1) BE:ED をもとめよ。
(2) AF:FE をもとめよ。
※必ず手元に図を描いて、実際に求めてみること。(下の方に正解を載せておきます)
   
正解 (1) 使う三角形 は △BDC  使う線分は AE
    (2) 使う三角形 は △AFC   使う線分は BD
ステップ3  式を立てるための 一工夫
使う三角形と使う線分が決まりました。 しかし、実際に式を立てるときは、公式を思い浮
かべながらいろいろ変更しなければなりませんよね。結構大変ですし、よく間違うことは皆さ
んも経験済みでしょう。 このステップでは、その煩わしさと不正確さをなくしてしまうための
、ちょっとしたコツをお教え致します。 (下の図を見ながら 以下の手順を読んで下さい。)
pfrm0014.png
 
pfrm0015.png
手順1
手順2, 手順3, 手順4
次にいよいよ 式を立てますが、ここまで準備が出来ていれば 後は簡単です。
  @ 2 → 2 B → B 4 → 4 D → D 6 → 6 @  の順に 式を立てます。   つまり
    
@ 2
2 B
 ×
 B 4  
4 D
 × 
D 6 
 6 @
 = 1
となるようにすればOKです。
出発 →
上の例で言うと  
 × 
(3+2)
 × 
 = 1
実際には三角形や線分には A,B,C,P,Q,R と記号が振ってありますが、
@BDなどは その横に目立つように書いておけば充分です。
では 例題3を使って 実際に解いてみましょう。
pfrm0016.png
12-23-34-45-56-61の順に式を立てると
12-23-34-45-56-61の順に
(2+3)
×
×
 = 1
文字式にすると
これを解いて 12x=25y
AB
BF
×
FG
GC
×
CE
EA
 = 1
よって x : y = 25 : 12
【 実際の答案例 】
では もう1問解いてみましょう。 例題1の問題ですが、今回は 内分点がなく
3つとも外分点で解く問題です。
pfrm0018.png
pfrm0019.png
【 答案例 】
上の図で、BC:CD=1:1
      AE:EC=3:2 のとき
FE:ED をもとめよ。
以上のことが分かっていれば たいていの問題は1〜2分で解けると思います。
 【練習2】
では最後に 例題2の(1)(2)を実際に解いてみてください。(答えは下の方にあります。)
pfrm0021.png
pfrm0022.png
同じように、BF:FC=3:2
上の図で、BF:FC=3:2
      AC:CD=5:4 のとき
      AC:CD=5:4 のとき
(1) BE:ED をもとめよ。
(2) AF:FE をもとめよ。
A
5
3
   2
B
C
【解答例】
 F
  
pfrm0023.png
   4
pfrm0024.png
 E
D
上の図で、BF:FC=3:2
      AC:CD=5:4 のとき
(1) BE:ED をもとめよ。
(1)
(2) △AFC と 線分BD について
△BDC と 線分AE に ついて
メネラウスの定理より
メネラウスの定理より
=1
AE
EF
FB
BC
CD
DA
=1  だから
整理して 6x = 5y
x+y
(3+2)
(4+5)
=1
 よって x : y = 5 : 6
すなわち BE : ED = 5 : 6
整理して  4x = 11y
       x : y = 11 : 4
よって  AF : FE = 11 : 4 
※以上でこの講座は終わりです。 今までのことが理解できていれば、あなたは
メネラウスの定理の達人に変身しているはずです。 うそだとおもったら、あなたの
手持ちの問題集で試してみてください。   
                          では また! → 高校生お助け講座ホームへ