──────────────────────────────── ■高校・学力改造講座■ 第17回 ──────────────────────────────── ──────────────────────────────── 成功者列伝 第2回 これが究極の「速読」対策だ! ──────────────────────────────── ●今回は予備校の先生の文です。「速読」をテーマとした本の中に収め られているものですが、この先生の「速読」に対する主張を要約すると、 … 「速読」と言っても大学受験で必要な速さは高々「音読のスピード (音速)」である。だから 今 はやりの「速読のテクニック」などにだまされ ないで、きちっとした「英語の実力(英文を読む力」を身につけさえすれば、 それがまさに「速読」対策だ。 … ということです。そしてそのきちっとした「英語の実力」を身につける方法と して次のようなやり方が書いてあります。 英文速読の方法序説より(勝手に抜粋してきました。ご免なさい。) ---------------------------------------------------------------- … (前略) … ペンを使いながら1回丁寧に読んだら(塾長注:S, V,O,C,M,カッコなどをつけながら読むという意味でしょう)、 その後その文章をひたすら音読することを勧める。 記憶しようとか、 知識を整理しようなどと考えなくてよい。 声に出してくり返し味読す ることが、実力をつける最良の方法なのである。 記憶や整理は、心配 しなくても脳や潜在意識がいつの間にかやってくれる。目安は30回〜 40回である。そうして音読をくり返すことによって、理解は無制限に 深まっていく。音読は英会話の疑似体験であると同時に、返り読みは絶 対に不可能であるという点で、速読の疑似体験でもあるのである。 … (中略)… 筆者の体験からすれば、30回の音読をくり返した英文の 量が300ページを超える頃、それこそ初見の楽譜でもゆっくりなら正 確にピアノが演奏できるといった状況になってくる。その時、ただ単に 大学に合格するというレベルを遙かに超えた本当の英語の速読力が付き 始めていることに気づくはずである。いや、速読力だけではない。英作 文、会話力、リスニング、語彙力を含む総合的な英語力がついてるはず である。 ---------------------------------------------------------------- ●私はこれを読んだとき非常に悔しく思いました。私が現役の高校生だ ったときにこのようなアドバイスを自信をもって言ってくれる人が周り にいてくれたら、私にもできたかも知れない、と思ったからです。(そ のような勉強法をおっしゃっていた先生が実際にはいらしたかも知れま せんが、残念ながら私の頭の中には残っていません。) ●計算してみるとわかりますが、この音読30回、300ページ以上と いう作業をこなすにはかなりの期間が必要です。しかし英文の構文分析 力(SVOCMに分ける力)さえ身につけば、あとはひたすら自分ひと りでできる作業ですよね。塾や予備校に行く必要なんか全くありません。 独学に最適の勉強法ではありませんか?というより独学でしかできない 勉強法でしょう。それともそんなことをやってくれる予備校があるので しょうか?構文分析をした英文を30回、300ページ以上強制的に教 室で音読させてくれる予備校が…(似たようなことをやらせる英語塾が あるとは聞いたことはありますが…) ●ちなみにこの著者は、高校の頃かなりの英語力を持っていたらしいで すが、高校3年の時に学校の英語の先生に「大学受験の勉強は何をした らいいですか?」と尋ねた時、「1年から3年までの英語の教科書を繰 り返し音読しなさい。」といわれて、それを忠実に守ったのだそうです。 そしてその効果を実感したというわけです。 ●また著者は自分が教えている予備校の生徒にもこれを勧め、忠実に取 り組んだ生徒は必ず効果を上げていると別の所で書いています。中には 「先生、音読のおかげで全国模試で1位になりました。」という人もい たらしいです。(スゴッ!) ●とにかく、「精読した後30回、300ページ以上音読する」という非常に シンプルな方法は、大いに参考になると思います。私が現役の高校生なら、 即これを実行に移したことでしょう。 ●もし、「じゃ、私もやってみる!」という人がいたら、ちょっとだけ アドバイス。30回300ページという作業はかなりのロングランにな りますので、必ず計画表を作るように。例えば高校2年生が1年間かけ てやるとすれば、11月から始めるとして、とりあえず次のような計画 表が出来ると思います。 11月 … 1年の教科書 10回音読 (ということは3日で1回通読 ということは1日目でL.1〜4 2日目でL.5〜8 3日目でL.9〜12) と考えれば、それほど大変な作業ではないことがわかりますよね。 12月 … 1年の教科書 10回音読 1月 … 1年の教科書 10回音読(合計30回) 2月 … 2年の教科書 精読 (学校でやっていないところを自分で精読する) 3月 … 2年の教科書 10回音読 4月 … 2年の教科書 10回音読 5月 … 3年の教科書 前半部分精読(学校の予習) 6月 … 2年の教科書 10回音読(2年合計30回) 7月 … 3年の教科書 後半部分精読 8月 … 3年の教科書 10回音読 9月 … 3年の教科書 10回音読 10月 … 3年の教科書 10回音読(3年合計30回) ※教科書は1冊80〜100ページが本文になっていると思いますので、 3年分(3冊)合計で200〜300ページを読むことになります。 ※また新出単語は各学年600〜800語くらいでしょうか?3年分で 2000語前後ということになります。 ●ところで、こうしてみると1日に音読する量が20〜30ページとい うことになります。さて、どの位時間がかかるでしょうか? 初めて読 む意味のわからない英文なら大変ですが、一度学校でやって内容を理解 している英文なら普通に読んで1ページ1分、引っかかりながら2分と いうところでしょうか? とすると、1日30分〜1時間弱、しかも読 む回数が増えれば時間は短くてすむようになります。1日わずか30分 〜1時間弱ですよ。これなら、学校の文法の宿題がある日も、数学の小 テストの前の日でも、あなたのちょっとした心がけ(何かを犠牲にする 心)次第で何とかなる、そう思いませんか? |
Copyright (C) ARAKI,Shin-ichi All Rights Reserved |