■高校・学力改造講座■ 第16回



英語  成功者列伝(勝者はいかにして勝ったか)


◆どうすれば英語が得意になれるのか、高校生のほとんどが一度はそう思うでしょう。私もそうでしたが、その答えが見つからないまま卒業してしまいました。今高校生活を送っている皆さんが同じ道をたどらないよう少しでもお役に立てればと思い、この文章を書いています。。

◆ここでは、実際に英語が得意だった人たち3人に登場してもらい、この人たちがどのようにして英語を勉強したのかをさぐっていこうと思います。当然「英語が得意」な人たちですから、「苦手の英語を何とかしたい」と思っている読者にとっては少し遠い存在に思えるかも知れません。しかし彼らの勉強法や助言に対し「英語が得意だったからできた方法だ」と考えるのではなく、「この方法でやったから英語が得意になれたのだ」と考えながら読んでもらいたいと思います。



       第1回   私はこうして英語の実力を伸ばした 


 
●まず今回は、「英語構文SOS(上・下)」(東大銀杏学舎著:中経出版)の序文を参考にしたいと思います。(勝手に抜粋してきました。ゴメンナサイ!)その序文に著者の体験談が次のようにあります。


僕が高校生だった頃、クラスに恐ろしく英語ができる奴がいた。 高2の時に、高3・浪人生対象の全国総合模試で、英語は常に成績上位(1ケタの順位)、何度も全国1位を獲得したほどの実力だった。僕は「なぜあいつはあんなに英語ができるんだ?」と不思議に思い、彼の勉強法やテクニックを盗もうと賢明に彼に接近した。しばらくして、彼と仲良くなった頃に、一度彼の家に遊びに行ったことがある。そこで僕は驚くべきものを発見した。手垢で真っ黒になったボロボロの「基本英文700選」(駿台文庫)と「英文解釈教室」(研究社)である。「こ、これ全部やったの?」と尋ねると、彼はさらりとこう答えた。「うん、中学の時に、塾で使ってたんだ。」僕が愕然としたことは言うまでもない。それから彼は、英語ができるようになる秘訣を僕に教えてくれた。その要点をまとめると次のようになる。


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@英文法を一通り暗記する。ここで、完璧を求めてはならない(なぜならドツボにはまる恐れがあるから)。

Aその後、ひたすら英短文を暗唱して丸暗記する。それにより、基本的な英語構文をマスターする(かれ曰く、「長文読解と言えど、1つ1つの文が連なっているにすぎない。だから1つの文をしっかり訳せるようになれば、長文読解も当然できるようになる」)。

B基本的な英語構文は250もないから、それさえマスターすれば、あとは、実戦あるのみ。ひたすら構文の構造が難解な文章をS,V,O,C,M1,M2などの記号を使って丁寧に解読していく。
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 彼はAで「基本英文700選」を、Bで「英文解釈教室」を使っていたわけだが、どちらも独学には向かない。量が多く、あまりに難しいからだ。だが、彼の勉強法は、まちがいなく王道と言える。僕も彼の真似をして飛躍的に英語の実力が伸びたからだ(センター試験では英語は200点、東大入試でも90点近かったと思う)。 …





●知らない人がいるといけないので補足しておきますが、「基本英文700選」にしても「英文解釈教室」にしても、受験界では超有名な教材です。しかしそれを実際にやり終えるにはかなりの根性と時間が必要です。それでもやっている人はいるんですね。

●ただこれを読んでる皆さんの中にはこう考えてしまう人がいるかも知れません…「その恐ろしく英語のできる奴って中学の時から塾でやってたんでしょ?私はもう高校だから、時間が足りないじゃないの?!」…と。でもよく考えてみてください。著者は、その「恐ろしく英語のできる奴」とは高校時代に知り合いになったんでしょ?その時点から努力して実力を上げたわけですからね。だったらあなたは彼の真似をすればいいんですよ。何もあなたは全国で1位の実力を望んでいるわけではないでしょう?それなら高校時代から真似を始めた著者がたどりついた「センター200点、東大入試90点(塾長注:120点満点)」という実力がつくだけでも、充分おつりが来るじゃないですか。これから努力しても遅くはないと思いますよ。


●ただ、みんながみんな「基本英文700選」と「英文解釈教室」を教材として使う必要はありません。著者も言っているように、質・量ともに上級レベルですから、これから英語の基礎を学ぶというレベルの人には不向きです。教材は自分のレベルにあったものから始めるという鉄則を守って、自分用の教材を探すべきでしょう。しかし、3つのプロセス :

  @英文法をひととおり覚え…
  A英短文をひたすら暗記し…
  B難解な英文を(分析しながら)どんどん読んでいく…

というプロセスは大いに参考になると思います。

●しかし、@、A、Bどれをとっても面倒な作業ですよね。特にAなんか「そんな時間ないよ!」という声が聞こえてきそうです。しかし、数学の所でもいいましたが、苦手を克服するには、何かを犠牲にする覚悟が必要です。そこをはっきり自覚して、自分で自分に鞭を打つしか方法はないと思います。ただ、「暗記まではどうも…」と尻込みをする人のために、次回、ちょっと気分が晴れるお話を用意しています。とにかくここでお伝えしたかったことは、英語を得意教科としている友人達はそのためにものすごい時間とエネルギーを費やしているのだということです。






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