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          ■高校・学力改造講座■      第3回
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英語   沈没編 第3回   英単語(後編)
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<例文主義とは>


前回、単語は、「見た瞬間、聞いた瞬間に、イメージが描ける」ような覚え方をしないと使えない、というようなことを言いました。そしてそのためには「例文主義」、上級者は「文章主義」でという結論でした。

今回は初心者のために「例文主義」について少し解説を加えたいと思います。


●日本語で例えば「資源」という言葉を考えるとき、この言葉だけでは非常に漠然としていますよね。「資源」と言っても色々ありますから。でも「鉱物資源」となると、少し具体性が出てきます。「ああ、石油とか石炭ね!」ってな具合です。つまり、頭の中に「具体的イメージ」が出てきます。さらに、「日本人は毎日膨大な鉱物資源を消費している。」とか、「オーストラリアは鉱物資源に恵まれ、その多くを日本に輸出している」となると、頭の中の画面にストーリーが展開しますよね。

このように出来るだけ具体化された状態でイメージをたたき込むというのが、例文主義のやり方です。 


●英単語 resource (読みは[ゥリソース]に近い)について考えてみましょう。

resource という単語を覚えるとき、

単語帳で
resource 資源   resource 資源 ・・・・・とおぼえるより

mineral 鉱物 (読みは[ミヌゥラル]に近い)という単語と一緒に

mineral resorse (石油、石炭のイメージを思い浮かべる)
mineral resorse (石油、石炭のイメージを思い浮かべる)

とやったほうが、resource のイメージを少しは具体化しやすいと思います。さらには、もっと進んで、ストーリーのなかでイメージすると、もっと覚えやすいだろう。ということです。

具体例を見てみましょう。

下の2つの単語をまず確認して下さい。

rapidly = 急速に [ゥラピドゥリー]
exhaust = 使い尽くす [イグゾーストゥ]



次に 下の英文を読んで意味を考えて下さい。

We are rapidly exhausting our mineral resources.








●さて、「意味を考えなさい」といいましたが、日本語に訳しなさいとは言いませんでしたね。でも日本語で訳してみた人は多いと思います。それはそれでかまいません。とりあえず、上の英文が意味している内容を、日本語を通して理解しましたね。



では次のステップです。

次の英文を、意味を考えながら、大きな声で3回音読して下さい。

We are rapidly exhausting our mineral resources.



ちゃんと3回音読しましたね。(してない人はちゃんとやって下さい)

●さあ、それではお聞きします。3回読んでいるとき、日本語が頭に思い浮かびましたか?それとも映像だけ思い浮かびましたか?

おそらく日本語が出てくる時間的な余裕はなかったと思います。でもイメージは描くことが出来たのではないかと思います。

もしイメージを描くことができたら、あなたは、rapidly, exhaust, mineral, resource 4つの単語の意味を日本語を通さずイメージで把握することが出来たということになります。ということは別の場面で, exhaust に出会ったとき、We are rapidly exhausting our mineral resources. のイメージを瞬時に思い浮かべることが出来れば、exhaust を日本語にしなくても、exhaust の内容はわかる、ということです。


●このように、特定の具体的な状況のなかで覚える方が、単語集で、resource 資源 resource 資源 ・・・・・exhaust 使い尽くす exhaust 使い尽くす・・・・とバラバラの単語として、しかも日本語を通して覚えるより、効率的で、長文を読むのには適しているということです。


ただし、やるからには繰り返し音読することが必要です。


ちなみに私の塾の生徒が使っている教材では、resource のところは次のような例文になっています。 (教材名=DUO 3.0)

The region is relatively rich in mineral resources.

[ その地域は鉱物資源が比較的豊富だ。] 

つまり、 この一文で、

region, 地域
relative(ly), 比較的
be rich in 〜, 〜が豊富である
mineral 鉱物
resource(s) 資源

の4単語、1熟語をしっかりイメージで覚えてもらおうということです。



●それでも「やっぱり、私は普通の単語集のほうがいい!」と思う人も多いでしょう。とりあえず、手軽に始められますしね。でもおそらく最も時間を浪費する結果になると思います。


●たとえば、さっきの exhaust , be rich in 〜 などを単語集で個別に覚えたとします。しかし、いつ英文のなかで出会うかわかりません。ずっと先かも知れません。そうすると、出会うまでは exhaust (使い尽くす) exhaust (使い尽くす・・・・be rich in 〜(〜が豊富)、be rich in 〜(〜が豊富)・・・と無意味に日本語を通して定着をはかることになります。ということはいつまでたっても「見た瞬間、聞いた瞬間に、イメージが描ける」ような覚え方にはならないわけです。


●そうすると長文を読んでいるときに

 ######### was rich in copper ######
#### had been exhausted. ###############

と出てきても、「えーっと、be rich in は〜が豊富…だから」…とか 「exhaust はえーっと 〜を使い尽くす、だったな…すると受動態だから」とか考えてると、長文を読む時間はなくなるわけです。


●それよりも、英文のなかで出てきたときに、その英文のなかで、イメージと一緒に覚えていく、というのがより効率的だ、というのが「例文主義」「文章主義」の考え方です。

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◆今回は、普通の単語集で覚えるのと、例文主義(または文章主義)で覚えるのと、どちらが効果的かを私なりの意見としてお伝えしました。


◆最後に、しつこいようですが、現在、英単語を増やす手段として「普通の単語集」を使っている人は、次に上げる事柄を読んで、ちょっと自分のやり方を研究しなおしてみることを勧めます。
  • 英文を読まない人に限って「単語集」で覚えたがる。
  • でも「単語集」で覚えて成功した人は少ない(いなくはないです)
  • 英語の得意な先輩達は たいてい英文の中で単語を覚えた、といっている。 (「単語集」で単語を覚えることはやっていない。)


◆要するに「単語集」で覚える暇があったら、その分英文を読めということです。「まず単語を覚えてから英文を読む」のではなく、「英文を読むから単語が覚えられる」、というように意識改革をしなければならないと思います。


●私自身は「まず、単語を覚えてから長文を…」と思っていたからダメだったのです。敗者はこうして失敗したのです。






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