───────────────────────────── ■高校・学力改造講座■ 第12回 ───────────────────────────── ───────────────────────────── 沈没編 第2回 英単語(前編) ───────────────────────────── ●私は英単語はしっかりやりました。かなり覚えたつもりでした。しかし、英語は最後まで苦手なままでした。原因は2つ。
今回はこのあたりのことについてお話ししようと思います。 あなたが私と同じような過ちを犯さないように…。 ●英単語をある程度知らないと英語そのものが分からない、ということに誰も異論はないと思いますが、単語さえ分かればOKか、というとそうではありません。私は高校生の頃、それがはっきり分かっていませんでした。「実力テストの点が悪かったのは、あの単語とこの単語が分からなかったからだ」という具合に考え、「まずは単語だ」と懸命に単語力養成に勉めました。逆に言うと、単語に時間をとりすぎて、文法や読解力の養成、さらには長文を読むことをおろそかにしてしまったわけです。その結果、単語は分かっていても穴埋めができない、英文が訳せない、長文を読む時間がない、とないないづくしになってしまったわけです。ですから「単語さえ分かれば、英語は何とかなる」と考えるのは非常に危険なことだと思ってください。 ●次に覚え方の問題。これが色々あって、困ってしまうんですよね、どれでやるのがいいか。 1.普通の単語集で覚える 2.語呂合わせで覚える 3.例文を暗記して覚える(例文主義) 4.まとまった文章の中で覚える (文章主義) 5.語源中心で覚える (語源主義) 6.その他 それぞれ、教材が市販されていますし、「私はこれをやった」式の情報も氾濫してると思います。そして英語が苦手な人にかぎって「普通の単語集」を一所懸命に覚えている・・・・しかし、ちょっと待って下さい。それは非常に危ないことなのです。 ●私が高校生になる前は、1.普通の単語集 がほとんどでした。そして高校に入った頃、2.語呂合わせの単語集がいくつか市販されました。3.例文主義(例文のなかで覚える) 4.文章主義(文章のなかで覚える)の教材はほとんどなく、あったとしても、現在みたいに洗練されたものではありませんでした。結局私は、1.と2.を併用しましたが、私はどういう訳か、2.語呂合わせの単語集に異常にはまってしまいまして、難しい単語はほとんど語呂合わせで覚えてしまいました。(自分で作った語呂合わせも結構たくさんありました。)これが悲劇の始まりだったのです。 ●私の場合、語呂合わせで覚えるといくらでも覚えられました。単語量は飛躍的に伸びました。しかし英文を読むのには効果的ではありませんでした。理由は2つ、
●これらの欠点は、語呂合わせの場合だけでなく、普通の単語集で覚える場合もいえることですから、どちらも良い方法とは言えません。英単語を覚えるということは、単語を見た瞬間、聞いた瞬間に、イメージが描けること を目標にしなければ、実際には役に立ちません。例えば、 cat → 猫 → (イメージ) ではなく cat → (イメージ) でなければならないし、同様に factory → 工場 → (イメージ) ではなく factory → (イメージ) important → (イメージ) previous → (イメージ) conservative → (イメージ) interupt → (イメージ) でなければ、一定のスピードで英文を読んだり、聞いたりすることはできません。つまり、できるだけ日本語を介在させずにイメージが出てこなくてはいけません。ですから、英単語を覚える、といっても覚え方には、注意が必要なのです。もう一度言いますが、「単語を見た瞬間、聞いた瞬間に、イメージが描ける」ような覚え方をしてください。 ●結局 3.例文主義がbetter 4.文章主義が best ということになるのでしょうが、私の塾の高校生には 3.例文主義の教材で高校1年から覚えてもらってます。一応効果は上がってますから、方法論としては間違ってはいないと思います。 4.文章主義 は英語が得意な人でないと挫折しやすいので、メインでは使ってません。ただ、3.例文主義を卒業した生徒には 4.文章主義 の教材を音読させています。 ●では、例文主義で覚えるとはどういうことなのか、単語集で覚えるよりどういう点が優れているのか、それについては次回考えてみようと思います。 ●ところで 5.語源主義 ですが、これも実はなかなかあなどれない効果を持っています。メインでやる必要はないですが、暇なときに、語源主義の教材を読んでおくとなかなか面白いです。また今まで覚えにくかった単語がすんなり覚えられたり、初めて出会った単語の意味が何となく分かるようになったり…以外と役に立ちます。特に、物事を理屈で考える傾向のある人や、物事の来歴(歴史)を知るのが好きな人には、良いと思います。誰でも知ってる簡単な例で言うと television = tele(遠い)+vis(見る)+ion(名詞語尾) ということを知っていれば visible =vis + ible (= able) = 見える〜 invisible = in (=not) + visible =見えない〜 など覚えなくても分かりますし、 telescope = tele(遠い)+ scope (見る)=望遠鏡 を理解できれば microscope = micro(小さい)+ scope は、おそらく「顕微鏡」だろうとわかります。 また credit card(クレジットカード)の cred=信じる ということを知っていれば incredible = in (=not) + cred + ible = 信じられない〜 credulous = cred + ul + ous (形容詞語尾) = 信じやすい〜 なども忘れにくくなるでしょう。 ●語源を探るとその単語の生い立ち、歴史、文化的な背景まで見えることがあるので、私は大学を卒業してから心がけて見るようになりました。英語圏の人も、母国語の単語を増やす手段として使う方法ですから、知っていて損はしません。ただ、これで受験に必要な全ての単語を覚えることは出来ませんので、あくまで補助手段として活用してください。 ●さて、今回のまとめです。英単語を覚えなきゃ、というあなた、私のような失敗をしないで下さいね。「塾長」の失敗に学ぶ、その2
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