──────────────────────────── ■高校・学力改造講座■ 第4回 ──────────────────────────── ──────────────────────────── 数学・格闘編 第4回 わたしも超秀才君と同じになれる? ──────────────────────────── Q.私のクラスに数学が超出来る子がいるのですが、私も同じようになれますか? A.なれません。 ●数学の天才君と同じ能力を持つことは不可能です。しかし、数学の実力を伸ばすことは出来ます。 ●今回は少し別の面から数学の勉強というものを眺めてみましょう。能力と勉強時間の関係についてです。題して「うさぎ と かめ」 の物語 ●今、私は漠然と次のような公式が成り立つのではないかと考えてます。 (得点力S) = (勉強能力C)× (努力時間T) ここでわかりにくいのが「勉強能力」という言葉でしょう。突き詰めていくと、「理解力」+「記憶力」ということになるような気がしますが、誤解を招くので補足すると、 「理解力」= 新しいことを受け入れる力 「記憶力」=一定時間内にどれだけのことを覚えられるか + 必要な情報をどれだけ素早く取り出せるか + いつまで忘れないか というあたりに落ち着くような気がします。そしてこの勉強能力(理解力+記憶力)は、「生来のもの」と「育った環境」とに影響されるようですが、どうすれば良くなるのか、はっきりはわかりません。とにかく、一人一人その能力には大きな違いがあること、そして1ヶ月や2ヶ月の努力ではあまり変化しない、ということだけは確かなようです。 ●さて、先ほどの式をもう1度見てください。 (得点力S)=(勉強能力C)×(努力時間T) 今のあなたにとって、勉強能力Cは急には変わらないでしょう。よって C=定数 ということになります。すると、得点力Sは努力時間Tに左右されます。一定の得点力Sをめざす場合、あなたの能力定数Cが小さければ、時間変数Tは大きくならざるを得ません。隣の友人が、たった2日間の勉強(T=2)で90点とれる(S=90)のは、Cが大きいからです。あなたが友人と同じ得点S=90を得るためには、あなたの能力Cに応じて、努力時間Tを増やしていかなくてはなりません。しかし時間Tにはあなたなりの変域(上限)がありますよね。朝から晩まで数学だけをやっているわけにもいきません。そこが難しいところです。 ●実際には、こんな簡単な公式で表されるような単純なものではないでしょう。しかし、あなたの能力と、隣の友人の能力は違うのですから、それに応じて努力時間を増やさなければならない、ということは分かっていただけると思います。「そんなの不公平だ、何でみんなの能力は同じじゃないんだ!」といっても始まりません。現実問題としてそうなのですから。 ●私は長いこと塾をやっている関係で、色々な生徒に出会います。そこで目にするのは、悲しいかな、人の能力には厳然とした差がある、という現実です。時としてそれは「うさぎとかめ」ほども違うものです。 ●今、日本の学校では「人間は生まれながらにして平等だ」ということを盛んに教えますよね。しかし誤解してはいけません。「…平等の権利を持つ」と言っているのであって、「…平等の能力を持つ」といっているのではありません。こと「勉強の能力」に関しては「生まれながらにして不平等」というのが現実です。このことを前提にしないと、あなたの勉強方法が定まりません。亀には亀なりの努力時間が必要です。(ところが亀のくせに昼寝ばかりをしたがるのが人間社会、そこが問題なのです。) ●しかし安心してください。入門レベル(学校の定期試験レベル)についていえば、あなたの能力(C)が仮に低くても、十分な努力時間(T)を取ってやれば、満足のいく得点力(S)が得られるようになっていますし、その「十分な努力時間」とは、あなたの心がけ次第で作り出せる程度のものです。 ●では、その「心がけ」とは何でしょうか? 簡単にいうと「数学のために何かを犠牲にする心」です。例えば、テレビを見る時間、ゲームをする時間、睡眠時間、英語の勉強時間、…。何も犠牲にせずに学力だけ改造しようと思っても無理です。 ●私が塾で教える生徒たちの中には、ある時期から突然「やる気」になって、成績がぐんぐん伸びていく生徒たちがいます。あなの周りにもそんな人が一人や二人はいるでしょう。彼らの得点力(S)が大きくなったのは、勉強能力(C)が増加したからではありません。努力時間(T)が増えたというだけのことです。彼らはある時期に、勉強のために何かを犠牲にする決心をしたのです。 ●あなたは数学のために何を犠牲に出来ますか? (原則) 一人一人勉強能力には違いがある。 (対策) 能力に応じて、勉強時間を増やそう(亀は亀なりに)。 そのためには、何かを犠牲にする決心が必要だ。 |
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