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          ■高校・学力改造講座■
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 格闘編  第2回   教科書ガイドを見るのはルール違反?
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Q.教科書ガイドを見るのはルール違反?

A.いいえ、大いに活用しましょう。

●教科書だけで数学の勉強をしようというのはどだい無理です。まじめな生徒に限って、小中学校の名残で「ガイド」に拒否反応を示しますが、高校では、まじめな生徒であればあるほど、ガイドを持っていた方が効率よく数学の勉強ができます。但し使い方を間違わないように。ガイドは宿題の答えを丸写しるすためにあるのではありません。予習・復習・試験勉強を自力でやるためにあるのです。


●そもそも教科書というのは「不完全な教材」です。教科書だけでは勉強できないようになっているのです。「例題」を懸命に読んで「練習問題」をやってみても「練習問題」の答えは書いてありませんよね。だから、勉強はそこで終わってしまいます。後は学校の先生の授業でやりなさいということなのでしょうが、それでは、誰かに頼らない限り自分一人の力では勉強できない、ということになりますよね。そういう意味で教科書は、自学自習には不向きの「不完全な教材」なのです。


●そこでガイドの登場です。「練習問題」の答え合わせをする目的だけでなく、自分の答案の書き方が適当かどうかの判断材料にもなります。そもそも高校1年には、「答案の書き方」自体わかりませんよね。ガイドはそれを教えてくれます。さらに、教科書の解説や「例題」の意味がわかりにくいときは、「練習問題」の解答例をガイドで見ることによって理解を容易にすることもできます。教科書を中心に日々の勉強をする場合、ガイドは大変役に立つ存在、まさににガイド(案内人)だと言えるでしょう。


●但し、ガイドは諸刃の剣です。使い方を間違えば、あなたの学力をそいでしまいます。答や解き方を「確認」し「真似(まね)」するのはかまいませんが、それを「丸写し」するのは、よくありません。「丸写し」はあなたの思考をゼロ状態にしてしまうからです。ガイドを見て間違いが分かったら、いったんガイドを閉じて、自分の力でもう一度解いてみましょう。そのようにして使えば、ガイドは強い味方になってくれるでしょう。大いに活用してください。


●ただし私の塾ではちょっと違う指導をしています。生徒に「ガイドを買った方がいいか?」と聞かれれば「買った方がいい」と答えますが、馬力のある高校生には「教科書を中心に日々の勉強をする」ことはさせていません。教科書が最良の教材だとは思わないからです。そのかわり教科書よりも分かり易い参考書を、教科書代わりに使わせています。そしてその参考書を自分のペースでどんどん進ませ、1単元終わったところで、学校の教科書や問題集に移るようにさせています。その方が、はるかに効率よく教科書以上の知識と実力を身につけられるからです。


●いずれにしても、学校の教科書だけで数学の勉強をやっていこうというのには無理があります。教科書を使うのであれば、教科書ガイドをあなたの助っ人教材として利用した方が、絶対に効率よく勉強できると思います。そのガイドで解き方や答案の書き方の実例にできるだけたくさん触れて下さい。そして、まずはそれを真似するところから数学の勉強が始まると思ってください。答のない教科書、答しかない(答案例のない)問題集は自学自習には向きません。


●前回も書きましたが、私が現役時代にやった最大の間違いは、「答えを見てしまうことに罪悪感を持ったこと」です。しかし、中途半端な知識しかない状態でいくら問題を解こうとしても、時間の無駄でしかありませんでした。新しいことを習っている段階では、考える努力より、覚える努力を優先すべきだと思います。




(原則)
教科書は不完全な教材である。答がなければ勉強は出来ない。

(対策)
ガイドで、効率よく多くの解答例に触れよう。そしてまずはそれを真似しよう。

答を見ることを恐れるな。罪悪感を持つな。(カンニングはダメよ)





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